大判例

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釧路地方裁判所帯広支部 昭和44年(わ)196号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕判示第一の事実に対する検察官の第一次的主張は、「被告人は業務上必要な注意を怠つた」ものであるというにあり、本位的訴因は業務上過失致死であるから、被告人が大型特殊自動車の運転に関し、「業務性」を有していたかどうかにつき判断する。

適法に取調べた証拠を総合すると、被告人は、昭和四三年自動車運転の普通免許を取得して、普通自動車を反覆して運転していたが、判示第一の犯行の一月位前から、大型特殊免許を取得したいと考え、そのため、トラクターショベルを工事現場で数回操作運転していることが認められる。しかしながら、(一)道路交通法第八五条第一項、第二項によると、普通自動車の運転について必要な知識、経験に基く注意能力と大型特殊自動車の運転について必要な知識、経験に基く注意能力とを特に区別して取扱つているものと解せられるから、被告人が普通免許を取得して、これを反覆して運転していたことをもつて、直ちに大型特殊自動車運転に関する業務性認定の資料とすることは相当でないし、(二)被告人が大型特殊免許取得の意思を有していたとしても、それはいまだ被告人自身の独断的願望の域を出るものではなく、(例えば、大型特殊自動車を購入する、あるいは、これを運転すべき職業地位につくといつた事情がない。)そのための練習内容も、数回、昼休みの二、三〇分位ずつを利用して一人で操作運転してみたというにとどまる(例えば、教習所その他で適切な指導者をえて、規則的に練習するというのとは異る。)のであつて、将来の反覆継続の可能性もさして大きいものではなかつたと認められるのであるから、(三)結局、被告人は大型特殊自動車の運転につき、いまだ、社会通念上、特別の知識、経験を有し、そのため特別の注意能力を期待されてしかるべき地位にあつたとまでいうことはできないと考える。従つて、当裁判所は、被告人の本件トラクターショベル運転について業務性ありとすることは相当でないと考え、業務上過失致死の本位的訴因を排し、予備的訴因である重過失致死の成立を認めた次第である。(堀内信明)

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